エックス線撮影装置

澤田則宏

2010年11月05日 22:41

 今日,ある患者さんから「設備というのも大切なんですね」と言われました.その方曰く,「技術の方が大切だと思っていましたが,以前の医院で撮ったエックス線写真ではよくわからなかったものが,紹介元の先生のところではよくわかりました.そして,先生の医院ではもっとよくわかりました」ということでした.

 当院のエックス線装置は,昨年入れ替えを行い,すべてデジタル化しました.低被曝になっただけでなく,撮影したエックス線写真をモニタ上で拡大したり,コントラストを変えたり,白黒反転させたり,様々なことが可能です.患者さんへの説明も,小さなフィルム上で説明するより,大きなモニタ上で,マウスのポインターを動かしながら,必要であれば線なども書き込みながら説明することにより,患者さんの理解度は高まるようです.

 でも,撮ったエックス線写真を読影できなければ意味がありません.歯科医師には,しっかり読影する能力が必要なのです.「えっ,そんなのみんなできるでしょ」と思われるかもしれませんが,やはりトレーニングが必要なのです.せっかく撮影しても,それを十分生かす歯科医師の能力があってはじめて装置が十分な力を発揮するのです.

 私が留学していた米国ペンシルベニア大学の歯内療法学教室では,毎週水曜日の夕方,教室員の全症例を大写しにして,みんなで検討する会がありました.そこでイヤというほどエックス線写真を診ていると,自然に歯の立体像が頭の中に構築できるようになるのです.大切なトレーニングです.

 装置も大切ですが,それを生かす歯科医師の能力,そして技術,これらがあってはじめて患者さんに最先端の医療を提供できるのだと考えています.やはり日々の研鑽が大切,ということでしょうか.

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